【 イカットが出来るまで 】
世界中の様々な地域には、色々な織り風景が今もなお展開されています。
ここではその一例として、イカットの宝庫であるインドネシアのフローレス島(シッカ村)での染織作業をご紹介します。
染織の盛んなインドネシア・ヌサテンガラの中でも比較的アクセスがしやすい地域ということもあり、観光客も多く訪れる村です。
興味を持って頂けたら、是非訪問なさってみて下さい。
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イカット作りは採取してきた綿花を紡ぐことから始まります。
綿花を一つ一つ紡ぐという気の遠くなるような作業を経て糸は作られます。
手紡ぎ糸による織りは、布地に独特の温かみが表れ、紡績糸による織りよりも若干厚みが生じます。
反面、強度という点では紡績糸のほうに軍配が上がることもあり、昔ながらの手紡ぎ糸を使用した織りは少なくなり、現在では紡績糸を使用して染織をする地域が多いのが現状です。
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紡いだ糸は輪状に木枠に整経された後、モチーフの模様通りに括られていきます。
この「括る」動作のことをインドネシア語でmengikatと言い、省略語であるikatが絣布の共通語として世界に広まったと言われています。
括り作業には昔からヤシの若葉などが使われていたのですが、今では私達にもお馴染みの梱包用ビニール・テープを使用する村も増えています。
この写真にもピンクのビニール・テープが見えます。
ちなみに茶色の部分は、ヤシの葉を使って括られた部分です。 |
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括り終えた糸は、木枠から外されて染色されます。
赤色はkombu(コンブ)と呼ばれる茜科の植物の根を使って染められます。
染色は一回だけではなく、気に入った色彩になるまで何度も何度も繰り返し行われます。
指先も染まり、衣服にも染料が飛び散ります。
それでも、女性達は楽しげにゆったりと作業していました。 |
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この赤さ加減で3回目の染めだそうです。
まだまだ染めは続くそう・・・。
人によって染め上がるまでの期間は、数ヶ月〜数年と幅があるようです。
主な染料としては他に、藍色に染めるためのインド木藍や黄色を染めるためのターメリックなどを使用します。 |
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染色が終わった糸は、やっと括り部分が解かれます。
そして、また木枠に巻かれて模様がずれずに綺麗に織れる様に整えられます。
やはり、これも根気のいる重要な作業です。 |
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こうしてようやく織り作業が始まります。
最終的に整経された糸を、模様がずれないように織機に掛けます。
この地域では、腰機(地機)を使った経絣が主流です。
全身を使った作業ですので、思いのほか重労働となります。 |
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この写真で織られている絣には、はっきりとした色彩のラインが縦にデザインされています。
ラインを作り上げている糸は化学染料で染められた紡績糸なのですが、現地の女性たちは、こうした『現代の化学技術を使って作られた糸』を使用することが「センスの良さ」や「粋」と考えている面もあるそうです・・・。
また、レーヨンは乾きやすいということもあり、日々衣服として身に着けては洗うサロンなどの素材としてはうってつけだそうで、そうした素材の織物も増えつつあります。
私達の目から見ると「天然素材のほうが良いのに・・・」などと安易に思ってしまいがちですが、その地で暮らす人々にはそれぞれの生活環境に沿った価値観があるのでしょうね。
実際、そういった布の中にも素晴らしい品が多くあり、センスの良さを感じる事もあります。
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アジアの国々を廻って嬉しく感じることは、美術品・伝統工芸としてのみではなく、
日々の生活を営んでいく上で密接に関わりあっている織物が、今も存在しているということです。
お母さんやお婆ちゃんが家族の為に、女の子が好きな彼の為に・・・
と、様々な思いを込めて今も機を織り続けています。心温まる素敵なことですね。
皆さんも旅行の際に時間の余裕があったら、ちょっと足を伸ばしてその先の小さな村々を訪れてみてはいかがでしょうか。
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